水. 12月 4th, 2024

<ア○ゾンから学んだもの>

ア○ゾンマーケットプレイス(ア○ゾンマケプレ)に出品者登録してから今年で10年目、節目の年となりました。今まで出品者(セラー)として様々な出来事がありました。ヤフオクしか知らなかった従前と比べ、新たなお客様との出会いや動作保証の重要性、迅速な配送、不具合が起きたときには確実なカスタマーサービス(返品・返金・交換)をお客様へ供することを強く自覚させてくれたモール、それがア○ゾンでした。

<無在庫転売対策としてア○ゾンセラーへ登録>

無在庫転売とは、在庫を持たずに商品を大量に出品だけしておいて、受注してから他のモールから商品を購入し転送(または直送)させるというグレーゾーン的な手法です。

(※無在庫転売は2000年代末頃から少しずつ増えたと推定され、2010年代なかばに無在庫転売の手法そのものが情報商材として売られるようになりア○ゾン等に無在庫転売が激増し、元々は隙間商売であった無在庫転売の市場は徐々に飽和します。また各ECモールは無在庫転売を規約違反とし徐々に対策されたこともあり、現在では一部のモールを除き無在庫転売は下火となっています。)

2003年からヤフオクへAV機器を出品していましたが、あるときにア○ゾンマケプレの無在庫転売のセラーが当方のヤフオク出品物を継続的に落札、商品の直送を要求され困った事態になりました。無在庫転売されるぐらいなら、ア○ゾンマケプレへ直接出品すればいいと考え、出品者登録に至りました。

当初はヤフオクと比較して、売値が高くても売れやすいECモールとしてア○ゾンの虜になりました。昔あった「製品コード免除」という、メーカー品をJANコード無しでア○ゾンへ新規カタログページを作成できる権限がア○ゾンより付与され、いくつもカタログを作りそこへ出品し、どんどん売れました。

<せどりブームを経て売り上げ低下へ>

2010年代後半期になると、「せどり」ブームが到来します。ア○ゾンマケプレはせどりの販売チャンネルとして最も有力でした。徐々にライバルのセラーが増え、価格競争が起きるために売れにくくなっていきます。ア○ゾンでは型番商品1つにつき同一ページへ複数のセラーがぶら下がる形態です。セラー数の増加とともに、無在庫転売や品質に難のある商品を売るセラーが増え、悪い商品レビューが付くようになっていきます。悪い商品レビューが増えるとカスタマー側から見てその型番商品そのものの印象が悪化しますから、売上げが徐々に低下していくという悪循環が生じるようになります。

<ア○ゾンとストレス>

消費者(カスタマー)から見たア○ゾンは確実な返品・返金や30日保証があり、買い物する場としては悪くないでしょう。しかしセラー登録歴の長い方ならわかっていただけるでしょうが、ア○ゾンはセラーと「対話」する気はなく、いつも一方的に「通告」してきます。セラーに対し常にシステム(AI)による自動的な判断・査定が行われるのも特徴です。AI主体でセラーへ下した判断・査定は、例えア○ゾン社員であっても手動修正が難しいという問題も大きく、突如としてアカウントのサスペンドなどの「処分」もあり得ます。

日本法人は米国ア○ゾン本社の支配下にあることもあり、セラーが「通告」や「処分」に対し異議があるならば訴訟でも何でもすればよいという米国流の考えが基調にあるのです。ア○ゾン創業者曰く「地球上で最もお客様を大切にする企業」だそうですが白々しく響きます。セラーに対しては一方的に「従属」を強いるからです。セラーとしてはそれが強いストレスになります。そしてア○ゾンという企業は部署ごとの横の繋がりが希薄であり、セラーに対してモールサービスとしての一貫性に欠けていて運営責任を果たそうとしません。ここらへんが日系ECモールとの大きな違いです。

<AIに人が逆らえない未来像>

例えばア○ゾン倉庫の荷物の配達を個人事業主ドライバーへ委託するア○ゾンフレックスでも、ア○ゾンマケプレセラーへの査定と類似したAI主体による労務管理を平然と行い、ドライバーを追い詰めているようです。(今後AIの進化に伴い、ア○ゾンに限らず企業が労務管理をAIにやらせる時代が来るのではと懸念しています。私がAIの進化に夢を持てないのはア○ゾンのAIに対する不信感に起因しています。)

ア○ゾンは企業としての社会的責任を果たそうとせず、人を人として見ない非常に無機質な多国籍企業です。GAFAの一角で図体だけは大きくはなりましたが決して尊敬はできずむしろ軽蔑すべき対象です。

<公正取引委員会へ報告>

上記画像は、2022年11月21日に私が公正取引委員会(中小企業庁)の調査票へ、「アマゾンジャパン合同会社」を問題のある相手先法人事業者として回答したときのものです。AI検知による価格の誤設定の可能性による自動停止(事実上の値引き強要)の事例です。

<ア○ゾンとのつきあい方>

ア○ゾンでは持続性のある安定した商いは期待できず、深入りしたり依存度を高めてはいけないECモールの筆頭です。当店が独自倉庫保管と自前の宅配便契約による出品者出荷にこだわり続け、FBA(商品をア○ゾン倉庫に預けるサービス)は絶対に使わないのは、全く信用に値しない多国籍企業に大切な商品を預けられないからです。

この企業はカスタマーは尊重するとしても、セラーは消耗品の捨て駒のように扱う傲慢さが際立ちます。であるならば、セラーもア○ゾンを捨て駒にすればよいのです。販路として利用できるうちは利用し、セラーから見て利用価値を失ったときはおさらばしましょう。付き合いはほどほどにしておけばよいのです。理不尽な目にあったときには、ア○ゾンだから、外資系だから仕方がないと諦めずに、経産省のデジタルプラットフォーム取引相談窓口や公正取引委員会へ通報したり、実際に法的アクションを起こすことも大切だと思います。日本は米国と違い、訴訟をあまり起こさない国なので軽く見られているのです。

By 野澤高士

1981年、名古屋市生まれ。

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